パーヴォ・ヤルヴィ先生 公開レッスン
こんばんは。加藤です。
先日母校の東京音楽大学で、パーヴォ・ヤルヴィ先生の 公開レッスンを受けてきました。
これはNHK Eテレの「クラシック音楽館」という番組の収録 のために企画され、5月に放送予定だそうです。
パーヴォ先生は去年日本でトップのNHK交響楽団の首席指揮者に就任され、現在世界で最も忙しい指揮者の1人といわれる方で、クラシック界では知らない人はいないくらいの有名人なのですが、
生でパーヴォ・ヤルヴィ先生を見ることは一生出来ないと 思っていたので、お会い出来た時にはとても感動しました。
そのパーヴォ先生がオケを指揮する学生に 指揮のアドバイスをするという今回の企画なのですが、
指揮に関するアドバイスは、技術的なこと以外、 やはりほとんどが楽器の演奏に通じているのです。
例えば、パーヴォ先生がおっしゃった、
「指揮、音楽に呼吸は欠かせない。 必ずアウフタクトの時に息を吸いなさい。」
というお話は、楽器でも完全に同じことが言えます。
やはり管楽器と違い、弦楽器は息を吸わなくても音が出てしまうので、どうしても息を吸うのを忘れがちになってしまうのですが、息を吸うことによって音楽に命が吹き込まれ、より立体的になります。
私が、一番パーヴォ先生のお話で印象に残っているのは、
舞台で緊張している学生に対して
「ステージに上がったら全くの別人になりなさい。 自分自身が音楽になるのです。」
というお話です。
さらに続けて、
「あの超一流のマイケルジャクソンは普段はとてもシャイな人間でしたが、 ステージに上がったら全くの別人になりました。」
というお話もされました。
私は確かにそうだな~と
深く納得しました。
「演奏」という字は、ご存知の通り、「演じて奏でる」と書きます。
ということは、やはり女優や俳優さんのように、 演奏家として音楽のドラマを「演じる」必要があります。
ステージに足を踏み入れた瞬間に、自分とは全くの別人になる必要がある訳です。
ディズニーランドのキャストさんも ゲストのいるパーク内に入るところに線が引いてあって、 そこを超えるといつもの自分ではなく、 「キャスト」として役になりきるということが求められる。 と聞いたことがありますが、 それと全く同じです。
他にも為になることをたくさん教えて頂きましたが、書ききれないので、 ご興味がある方は5月のクラシック音楽館をご覧下さい。(放送日未定。)
私は普段先生をやっていますが、やはり何歳になっても 口だけにならないように、まずは1人の演奏家として 貪欲に学び続けていきたいと感じました。