オンラインレッスン導入を決意した理由2
こんにちは。
東京都中野区の加藤音楽教室、代表の加藤大貴です。
ご訪問ありがとうございます。
前回は
オンラインレッスンのメリットとして、下記のような点があげられる、というお話をしました。
1. 教室までの往復移動時間・交通費がゼロ
2. 対面レッスンより都合の良い時間にレッスンを受けやすくなる。
3. レッスン時間が無駄にならない。
4. レッスン内容が身につきやすい。
しかし一方で、メリットがあればデメリットも必ずあります。
それは、
1. 音質は対面より劣ってしまう。
2. 通信に一瞬の時差があるため、講師と一緒に曲を弾くことは出来ない。
3. チューニングを講師にやってもらうことは出来ない。
4. 生徒さんの弓や楽器などを直接先生が直せない。
ということです。
しかし、スーパーポジティブ人間である私個人、また講師としての立場からすると、これらはデメリットでは無い、むしろ3、4番に関しては「メリット」なのではないかとすら感じています。
本日はその理由についてご説明します。
■1. まず、1つめのデメリットである「音質は対面より劣ってしまう」
という点についてですが、
これはオンラインの特性上、必ずそうなってしまいます。
対面よりオンラインの方が音質がよくなることは100%ありません。
では音質の悪い音でレッスンをしていると、自分の楽器の音も悪くなるかといえば、どうでしょうか。
たまに、
「先生の音を生の良い音で聴かないと、良い耳が育たないし上手くならないのではないですか?」
という質問を受けることがあります。
確かにおっしゃることはよく分かります。なんとなく良い音質で聴き続けてないと耳が悪くなりそうです。
しかし、もし仮にそうだとすると、音質が悪い蓄音器やカセットテープを聴き続けて音楽を勉強していた時代(20世紀)は、
CDや現代のような良い音質を聴き続けて勉強している時代(21世紀)より、楽器が上達する人が少ないはずです。
では実際はどうかと言えば、逆に20世紀は現代よりも名プレーヤーが多いのではないか、という意見もあるくらい、様々な楽器の巨匠がたくさんいた時代でした。
聞いたことのある名前も1人はいると思いますが、ピアノだけでもリヒテル、ルビンシュタイン、ホロヴィッツ、グールド、アルゲリッチ、ポリーニ、、などここに名前を全てあげるのは不可能ですが、全員偉大なピアニストであり、Youtubeでも音源を聴くことが出来ますが、現代の名手と比べて劣っているかと言えば、当教室代表の加藤個人としては、全くそうは思いません。
加藤個人のヴァイオリンの先生もテープが擦り切れるほど音楽を聴いて勉強していたと、よく言っていました。
私自身も古いヴァイオリンの巨匠の映像や音源を何回も見て勉強した思い出があります。(個人的に「The Art of Violin」というDVDがオススメです。)
もちろん、生の良い音を「知っている」ことは大事なので、良い音質のCDや、コンサートに行ってプロの音を聴く経験は大事です。
しかし楽器を上達する上で聴こえてくる「音質」はほぼ関係なく、一番大事なのは想像力だと思います。
■2. 次に「通信に一瞬の時差があるため、講師と一緒に曲を弾くことは出来ない」という点についてですが、
・まず誤解されがちなのは、オンラインだとタイミングが合わないだけで、「音程を講師と合わせることは可能」だということです。
ネット通信を介したからといって音程が変わることはありません。
つまり、生徒さんの音程が少し違っていた場合は、講師が弾く音と一緒に弾いて音程を合わせることができます。
・講師が手を叩いたテンポに生徒さんが合わせられない。という問題については、
メトロノームを生徒さん側でつけていただく
ことで簡単に解決します。
(むしろ、人間と違って機械は生徒さんのテンポに合わせることがないので、そちらの方が正確かもしれません。)
・また、デュオや、同じパートをオンライン上で一緒に弾くことはできませんが、
あらかじめ講師の音を録音した音源を生徒さんに送っておけば、それと一緒に弾いてオンライン上で講師が聴いてアドバイスすることができます。
また「アドバイスは要らないけど、どうしても講師とただアンサンブルがしたい」ということであれば、講師側のスピーカーをOFFにすれば、生徒さん側ではアンサンブルを楽しむことは可能です。
■3. 次に弦楽器特有のデメリットかもしれませんが、
「チューニング(調弦)を講師にやってもらうことはできない」という点についてです。
これについては、本来チューニングは自分でできなければ通常の練習中も違う音程で練習することになってしまうため、私個人の意見としては、楽器を始めるにあたって、まずチューニングから練習した方が良いと思います。
「チューニングを自力で出来る」というのはとても重要なことです。
ペグ(糸巻き)が上手く回せない
という方は、「アジャスター」を4本の弦それぞれにつけて、チューニングをしやすくすることをおすすめします。(1個400円くらいで売っています。)
また、今は無料アプリで簡単にチューニングをすることが出来るので、「正しい音が分からない」ということはありません。
ですので講師に頼らず、まずは自分でチューニングをすることでチューニングをする能力がつく、というのは逆にメリットなのではないかと思います。
最終的に答え合わせの意味で、オンラインレッスンの時に講師に音程を確認してもらえば、講師が「高い」「低い」ということは伝えられますので、最終的な答え合わせをすることもできます。
■4. 最後に「生徒さんの弓や楽器などを直接先生が直せない」という点ですが、
これはつまり、先生が強制的に直せないので、生徒さんは先生のマネをするしかないということです。
突然ですが私は「モノマネ」が上手な人ほど、楽器がうまくなると考えています。
結局楽器の上達は「上手い人のモノマネがどれだけ出来るか」だと思うのです。
マネするのは、先生だったり、プロの演奏家だったりしますが、とにかく自分より上手い人です。
実は楽器はモノマネ芸人にやらせたらすぐに上達するのでは?と考えているくらいです。
自己流でやって良いのは、本当に第一線中の第一線で活躍しているほんの一握りの人たちで、私を含めてそれ以外の99.9999999%の人たちは自己流でやるより、自分より上手い人をマネするのが一番の上達の近道だと思うのです。
例えば、ヴァイオリンなんかは300年も前から形が変わっていない(もう300年前に最高の形で完成されていて、楽器に改良の余地がない)ので、ヴァイオリンを良い音で鳴らすテクニックというのも、既に出尽くされています。
既にあるもの以上に良いテクニックが生み出される可能性はもうありません。
つまり、自分で上手な弾き方を新しく考えるよりも、「上手い人のマネをした方が圧倒的に早い」のです。
レッスンというのは、先生のモノマネをする時間だと思います。
これが ITなどの分野ならまた話は別で、まだ人類の中でも歴史が浅く、日々新しいものが生み出されているので、新しいことを考えた方が上手くいくかもしれません。
しかしヴァイオリンの世界は、徹底的に上手い人のマネをした人が結局は早く上達するのです。
ですので、楽器が上手くなるには、マネをする力を鍛えるのが近道と考えて全く問題ないです。
「マネをするしかない環境」でレッスンすることでマネをする力がつくのではないか。というのが私の意見なので、私にとってこれは逆にメリットとすら感じます。
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要は、レッスンの目的である「楽器の上達ができる」のか、
そこが最重要ポイントだと思います。
レッスンの目的が達成されていなければ、レッスンが出来ていても、何の意味もありません。
では、私がオンラインでレッスンをしている生徒さんを見てて思うのは、
「めちゃくちゃ上達されている」
ということです。
正直一瞬、通常の対面レッスンの意義を見失いそうになるくらい上達しているので、少し焦る時もあります笑
今まで会社に行ってやっていたことが在宅でも意外と問題なく出来てしまい、「あれ、今まで会社行ってた意味なんだっけ」という感覚に近いと思います。
要は、レッスン方法を「対面」でやるか「オンライン」でやるか
というのは、同じ料理でも「店内」で食べるか「テイクアウト」で食べるかの違いのようなものだと感じます。どちらにも一長一短があり、普段はどちらが優れているとは言えません。
ただ、コロナ時代は間違いなく「オンライン」「テイクアウト」を選ぶべきでしょう。
これが私がオンラインレッスン導入を決意した理由です。
長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
外出できない日々が続きストレスが溜まっている方もいらっしゃるかもしれません。
これを機会に、面白半分で気分転換にオンラインレッスンをためしてみるのはいかがでしょうか。
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